沖縄での独特な台風事情

梅雨が明けると台風シーズンが到来ですね。

台風は災害になる事が多いので嫌われがちですが地球環境のためには必要な一部でもあるようです。

台風によって水不足の解消や海水温度の上昇を抑える効果もあるようです。

実際に沖縄に住んでいる時には台風がほとんど来ない時期がありましたが、その時には海水温度が上がりサンゴの死滅が大量に発生したというニュースを聞いたことがあります。

沖縄に来る台風は暖められた水蒸気をたっぷり吸収して勢力が非常に強い事があります。

ではそうなると沖縄県民は恐怖に震えて家に閉じこもっているのでしょうか?

今回は実体験を交えて話したいと思います。

目次

台風が来るとわかったら

台風が発生するとニュースの進路予想と米軍の台風情報を比較します。

米軍は日本の台風予測を発表しています。この台風予測はかなり精度が高くしかも日本の予測より前から知る事が出来便利です。

しかし長年沖縄に住んでいると風の強さや海の匂いで「今回の台風は上陸しそうだな」というのがわかってきます。これはかなり正確です!自分的には米軍予測に負けません。

どんな対策が取れるか

台風上陸が決定的になれば家や車の台風対策をします。

窓が割れた時のために養生テープを貼る→窓の一面一面に×の形でテープを貼ります。これは万が一飛来物が飛んできて割れてもガラスが飛び散らないためにするものです。ちなみにガムテープや布テープだと剥がしたときに粘着が残るため養生テープにします。それでも台風一過の後すぐに剥がしましょう。沖縄の人は面倒くさがり養生テープそのままの家もあります。年中家の窓に×がついています。

ベランダにある荷物を屋内に入れる→植木やゴミ等があれば家に入れます。中には「外にゴミ置いておけば翌日(全部飛ばされて)キレイになってる」とか言う不届きものもいますが真似してはいけませんヨ。

洗濯機に水を入れる→外のベランダや玄関の外に洗濯機を置いている場合は水を入れて重石代わりにします。こうすれば洗濯機が飛ぶのを防ぎます。ただそれだと洗濯機の蓋が飛んでしまう恐れがあるので洗濯機全体をグルリと紐でくくるのが良いでしょう。

お風呂に水を貯める→断水になった時のための水を貯めます。沖縄の家庭は屋上に給水タンクを設置している家があり汲み上げるのに電源を用いている場合があります。停電になると汲み上げが出来なくなるのでその対処です。トイレの水を流すのに使用します。ただし沖縄の風呂場には湯舟が無い場合が多いです。多分アメリカの影響(米国人はシャワーのみで済ませる)でしょうか?新築の一軒家でも湯舟が無い家庭があります。

充電や電池交換をする(ロウソクも買う)→ポータブル電源やバッテリーを持っていれば充電したり懐中電灯などのライト交換をします。またそれらの電源が全て切れた時のためにロウソクを買い込みます。

冷凍庫に保冷剤をあるだけ入れ凍らせる→停電になった場合困るのは冷凍庫の温度が上がって食品が溶けていく事です。しかしながら冷凍庫が凍ったものでいっぱいだと温度が下がる時間は遅くなります。実体験だと以前4日停電が続いた時がありましたが4日たってもまだ肉などは半解凍位で大丈夫でした。ちなみに保冷剤がないならペットボトルのジュースなどのボトルの6分目位までに水を入れ凍らせてもOK!です。

タオルや雑巾を大量に用意する→風が強いと(特に吹き返しの時)窓のすき間から水が浸入してきます。その時に室内にも入ってくるのを防ぐためタオルをサッシレールに敷いて水を吸います。どんどん変えないといけないので多めに用意しておくといいでしょう。ちなみにすき間からの侵入を極力抑えるためにすき間に養生テープを貼るのもいいです。ただしこれは侵入を完全に防ぐ事は出来ません。やはり自然の力の方が強いです。

保存が効く食品を準備する→パンやカップラーメン・インスタントラーメンなどを準備します。長い時間過ごすのでお菓子や常温でも楽しめるお酒も用意すると良いです。ちなみに沖縄の方々はご飯を沢山炊いて、油みそ(豚肉と味噌を炒めた保存食)というものを作って台風を待ちます。以前近所のおばぁにもらってすごくおいしかったです。

娯楽も忘れない→本やDVD・ゲームを準備します。停電になっても暇をつぶせるものがいいですね。自分は一人暮らしなので持ってないのですが子供のいる家庭ではボードゲームを何種類か持っていました。

・[番外編]車の保険には車両保険を掛けておきましょう。→「もう壊れてもいいやぁ」という車なら別ですが大切な車なら車両保険を掛ける事をお勧めします。なぜなら台風の時には色々なものが飛んで来ます。石や看板、時には太陽光の発電パネルなども宙を舞うのです(ホントです)車両保険を掛けていればそのような損害のカバーが出来ます。一番安いエコノミークラスの保険で大丈夫ですので車を大切にしている方は掛けましょう。ちなみに沖縄の方は私が知る限り自分の車に車両保険は掛けません。車は走れば良いという方が多く、走行距離が10万キロだと「上等ださぁー」と言います。「車は10万キロから」という名言もあります(ホントです)。

台風前の沖縄はお祭り騒ぎ

さて台風上陸前日です。皆ソワソワしています。

それは怖くてソワソワではありません。実は皆楽しみにしています。

皆家で強制的にゆっくりできるからです。スーパーマーケットは「正月前かっ!」とツッコミたくなるくらいに混んでいます。朝からパンやカップラーメンやビールが飛ぶように売れていきます。売れてもドンドン補充されて行きます。台風特需ですね。私の友人はお腹がメタボなので奥様から普段は炭水化物を食べる事を制限されています。でも台風の時だけは制限も解除されます。なので台風上陸が決定的になると奥様にラインで「台風上陸!パンとラーメン買ってきて!」と即メッセージを送るようです(笑)

またレンタルDVDショップも大盛況です。レジに並ぶ人が店内の奥まで続きます。普段皆台風の時まで見たいものを我慢してるのでしょうか?新作とかほぼ無くなります!その店は漫画レンタルもしているのですが見事に棚が空になります。

もうまるで前夜祭です。

暴風域に入ったらバンザイ!

沖縄では本島が暴風域に入ると公共交通機関が全て運休します。

すると基本的に全ての会社(スーパー・コンビニやインフラ系を除く)は休みになります。

皆イソイソと帰り支度をし出しますが心の中でバンザイを唱えます。

もちろんすぐ帰宅する人もいますが中には居酒屋へ行って宴会を開催する人々もいます。

また映画館やボウリングに行く人もいますね。大体台風が通過するのに丸一日はかかるので、次の日は休みになる事が多いです。なので前日は羽目を外そうという人も結構いました。

ちなみに自分はYOUTUBEを見ながらTwitterで「台風」と検索して皆の様子をリサーチしつつチビチビお酒を飲んで時間をつぶします。結構楽しいです。

また、暴風域に入って荒れまくっていてもドライブだの買い物だのに出る人もいます。とにかく休みを楽しもうという事でしょうか?ちなみに沖縄では「ユニオン」という24時間営業のスーパーがありますがここは最強!です。台風で他の店が閉店しても最後まで営業しています。

そのユニオンが2020年に全店舗を閉めた事がありました!そのニュースを聞いた時には震えました。これは凄い台風がくるぞ!と恐れました。

そのクラスの台風がくると停電はほぼ間違い無しです。

でも停電したら最後

停電したら全ては終わりです。

パソコンもテレビもインターネットも使えなくなり絶望です。

なによりエアコンも扇風機も使えなくなるのは非常に辛いですね。(台風通過中は窓も開けられません)

ボイラーも点火しないのでシャワーも浴びれません。でも体はベトベトして気持ち悪いので真っ暗なバスルームで水シャワー浴びて体を冷やす事もありました。

以前最長4日間停電してた事がありましたが本当にきつかったですね。

しかも仕事で停電復旧班に回され、疲れて真っ暗な家に帰ってきてモソモソとパンを食べて寝るというなにも面白くない日々を過ごしていました。4日後の夜中に電気が復旧し、家の照明が点灯しエアコンが冷風を送り出した時には感動すら覚えました。

ちなみに停電がしにくい場所というのがあるようです。

沖縄本島でも都市部(那覇・宜野湾・浦添)は停電しにくいです。逆に過疎部(田舎)は停電しやすいです。しかし田舎でも停電しやすい場所、しにくい場所があります。

公共機関(学校・役所)が近くにある地域は停電しにくいようです。また私の友人は隣が銀行だったのですが「今まで一度も停電したことないよ」と言っていました。地域のインフラ系施設は冗長化が取られているのかもしれませんね。

私の家は田舎の海の近くでしたので台風が来るとよく停電していました。

台風が過ぎたら

台風が通過して穏やかな日常が戻ってきたらまず洗車をしましょう。

車はキレイに見えても汚れています。特に海水の飛沫を浴びていますので早急に対処しなければなりません。ただ簡単な洗車で大丈夫です。ガソリンスタンドの機械洗車(シャンプー洗車)やスプレー洗車で塩を洗い流すだけで十分です。

綺麗な海を眺めるとすぐ行きたくなりますが、台風通過後2日くらいは波がまだ大きくさらわれる可能性があるので我慢しましょう。

ちなみに台風が接近している時に海へサーフィンへ行ったり波を見に防波堤へ行ってさらわれ、翌日海で浮かんでいるのが見つかる事が必ずおきます・・・残念ですね。


いかがだったでしょうか。

沖縄での台風は十分注意し対策を怠ってはなりませんがお家で楽しんで過ごすようにしています。

是非これから沖縄に移住する方は参考にされてください。

おしまい